データ改ざんと内部告発

 免振ダンパー検査データの改ざん問題が世間を騒がせている。知らなかったが、この分野では業界トップシェアの会社とのこと。建設業界では何年か前の耐震偽装問題や横浜市の新築マンションの基礎となる杭の不良問題等不正が後を絶たない。

 また、自動車業界でも検査データの不正、エアバッグの不良製品等日本の製造業の信頼性を失墜させる問題が多々発生している。

 

 これらは、恐らく内部告発により発覚した案件ではないだろうか?先の免振ダンパーの件では、施工者が現場管理者に、不正を指摘し正そうとしているにも関わらず、管理者は何らの対処もしようとしない様子が録音され、公開されている。

 

 内部告発が制度化されつつある現在、企業の経営層は危機感を持たないのかと疑問に思ってしまう。施工者など関係者の中には偽装などの不正に耐えられない人は必ずいるはずである。そう考えると上司さらにその上の経営層の役員たちは「不正行為はいつかばれる」と組織内のコンプライアンスを常に考え襟を正しておくべきである。目をつぶってしまうようなことは到底できないはずである。

 

 大企業になればなるほど、問題発生時には「見んかったことにしよう。なかったことにしてまお・・・」と首をすくめてしまうのではないか?

 行政機関が失態を犯すと「民間だったらそんなことはしない。そうはいかない」という言葉をよく聞く。

 しかし、同じですよ、民間も大企業になれば。

 東電福島原発事故発生時の経営トップ層の公判が最近あったが、事前に防潮壁の高さの問題も社内で検討されていたことが明らかになった。担当者は15m超の高さが必要との提案をしていたらしいが、副社長は何らの対応もせず、しかも1か月以上放っておいたとのこと。

 単なる会社の信頼性の失墜だけでは済まされないことである。