ビリャの加入がもたらすもの

 2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会で、華麗なるパスサッカーで優勝を飾り、世界に衝撃を与えたスペイン代表。このチームの強力FWを構成したのがイニエスタトーレス、ビリャ、シャビの4人。そのメンバーの中の、トーレス鳥栖へ、イニエスタが神戸へ今シーズン加入し、違いを見せている。サッカー界では大きな話題となっている。

 そしてこの度、ビリャがイニエスタと同じ神戸へ加入することが濃厚とのことである。(今日のスポーツ紙によると確定したとの記事が掲載されているのだが)

 いやいや益々面白くなってきたぞ。優勝した当時の戦術、“華麗なるパスサッカー”は大いに世界を魅了した。

 この戦い方は日本代表にも十分に参考になる戦術であった。ヨーロッパの大柄な選手の中で、トーレスこそ186cmと上背があるが、イニエスタが171cm、ビリャが175cm、シャビが170cmと日本選手と変わらない体格だ。むしろ小さいくらいである。その3人が、Jリーグへ加入とは、日本代表の目指す戦術の良いお手本となるだろう。

 

 最近の日本代表では、中島、堂安、南野の“新ビッグ3”と大迫の組み合わせが、どうやら定着するように見えるが、“スペインビッグ4”の中の3人から得られる影響は計り知れない。まあ、比較するとペインのメンバーとは一回り二回り小ぶりであるが、年明けのアジアカップでは、日本代表には、良い影響を受け、更に進化した姿を見せてもらいたいものである。

 

 さて、この度の神戸(オーナーは楽天であるが)の“スペイン化”が目指すところは何なのか?を考えるとビジネスのさらなるグローバル化へとつながる。彼ら2人のスカウトの目指す先には企業の世界への知名度アップがあるのだろう。

 彼らの獲得だけではなく、数年前から楽天は、リーガエスパニョーラ(スペインリーグの愛称)の二大クラブの一つ、あのメッシも所属するFCバルセロナ(「通称バルサ」)の胸へのロゴ使用権などを獲得しており、知名度アップを狙っている。

 Jリーグも今後、このような戦略で世界に売り出していくクラブが出てくることも想定されるが、世界のサッカー界の目が日本に向くかどうか。やはりそのへんは金額の問題が大きく絡んでくると思われるが。

 

 ついでに、ビリャは今シーズン、アメリカのメジャーリーグサッカーに所属していたが、契約切れとのことでイニエスタに今後のことを相談したのではないか?イニエスタは日本大好き外国人のようで、ビリャに「いやーっ、日本はいいぞ、人も優しいし、食べ物も美味い。街はきれいで安全だから、きっと君も快適に過ごせるぞ。ぜひ一緒にやろうぜ」とでもアドバイスしたのかな・・・?勝手な想像だが。