ゴーン元会長逮捕に思う その後

 カルロス・ゴーン元会長逮捕の話題が、依然としてメディアを賑わせている。

この件については小生も以前に記載したが、逮捕直後には表に出ていなかった裏事情が、少しずつ現れてきている。

 どうやら、有価証券虚偽記載という単なる経済犯罪から、ゴーン氏の辣腕ぶりからは想像もつかない、同氏の裏の顔が見えてきている。何でも本人の投資による損出をニッサンに肩代わりさせたとか、リオやレバノンの自宅を子会社に購入させたり、はたまた、姉の“名ばかり顧問料”を支払っていたとの、いわば“せこい”やり方が、どうやら直接の犯罪として摘発対象になったらしい。

 しかしながら、その裏には、ニッサンVSルノーといういびつな資本関係がある。ルノーグループとしての売り上げの半分はニッサンが稼いでいるとのことである。にもかかわらずルノーニッサン株を43%、ニッサンルノー株を15%という議決権も持てない少ない持ち分であるという構図だ。どうやらニッサンはそれを解消させたかったらしい。

 そのためにニッサンは最後の手段として「内部告発」、「司法取引」、「素早い会長解任」などの手法を駆使したのだろう。

 ルノーは、いわばフランスの国営会社。ゴーン氏の摘発は世界に衝撃を与えることを承知で踏み出したニッサン幹部の覚悟と検察の覚悟は相当なものだったろう。

 昨日、今後の体制はルノーニッサン三菱自動車の3社合議体制で行くとのニュースが駆け巡った。今後さらに新しい情報がメディアを賑わせてくるだろう。

 

 我々一般人は、今年6月に施行された「司法取引制度」が、早くも、またこのような著名な企業・人物の間で実施われたことは、日本も「そこまできたか!」と益々興味が沸いてくる。小説家や映画プロデューサーが、これをストーリーにして制作するときっと面白いものができるのでは・・・?