アメリカ議会中間選挙の投票率

 注目されていたアメリカ議会の中間選挙の結果が出た。

上院は共和、下院は民主と各メディア等の予想通りの結果となり、金融市場も織り込み済みで一安心といったところか。

 トランプ氏は、遠くから見ていると大国アメリカの大統領には相応しくないと見えるが、アメリカ国民の中には岩盤支持層があり強固な支持者がいて、「何が何でもトランプ」といったところなのだろう。

 2年前の大統領候補指名選挙で、共和党内でトランプ氏と争ったクルーズ議員すら、手のひら返すようなトランプ賛辞を繰り返し、トランプ氏も応援に入るなど、背に腹は代えられないとでもいったような選挙戦であった。利害が一致すると日本で思われている“恥”をもかなぐり捨てて〝勝“を追及するのであろう。私には理解し難い現象である。

 

 もう一つ驚かされたことに投票率があった。

 確か47~8%であったと思うが、その低さに驚かされた。期日前投票は前回の中間選挙よりも1000万人多く、世間の関心は今までにないほどであるなどと事前の論評があった。恐らくアメリカの選挙制度は事前に選挙人登録が必要と日本のそれとは異なり、日本とは比較できないこともあるとは思うのだが。この低さは一体何なのか理解に窮すものであった。日本人の私でさえ今までにないほどの関心事となったにもかかわらず。

 

 今までは、日本の民主主義は与えられたものであり、欧米のそれは戦いの中で勝ち取ったものだから、民主主義を守り、危うくなると守ろうとする力が働くものだと思っていたが、この投票率を見てしまうとどのように考えたら良いのだろうか?ヨーロッパ諸国など、他の先進国は大丈夫だろうか。

 世界的にミニトランプなる国家首脳が誕生していることに薄ら寒さを覚えてしまう。